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かかりつけ薬剤師になるための要件や条件をチェック!メリットもご紹介

薬剤師の知識
かかりつけ薬剤師になるための要件や条件をチェック!メリットもご紹介

こんにちは!なの花薬局の野澤です。

「かかりつけ医」は聞いたことがある方も多いと思いますが、「かかりつけ薬剤師」という薬剤師もいることをご存知でしょうか?

今回は、かかりつけ薬剤師について詳しくご紹介したいと思います。
かかりつけ薬剤師の役割やなるために必要な要件、患者さまにとってのかかりつけ薬剤師のメリットなどをご紹介します!
また、かかりつけ薬剤師を目指すメリットについてもお伝えします。 

「かかりつけ薬剤師」とは?

皆さんは「かかりつけ薬剤師」という言葉をご存知でしょうか?
「かかりつけ薬剤師」とは、薬による治療や健康、介護に関することなどの豊富な知識を持ち、患者さまのニーズに沿った相談に応じることができる薬剤師です。

この「かかりつけ薬剤師制度」は2016年4月の診療報酬改定からスタートしました。

かかりつけ薬剤師制度がつくられた背景には、日本における超高齢社会があります。
日本の高齢化率は世界でも大変高く、今後もハイスピードで進んでいく見込みです。
2065年には、全人口の約25%が75歳以上の後期高齢者になり、高齢化率も38%を超えるとの推計が出ています。

そうした中で厚生労働省は、地域の医師や訪問看護師、「かかりつけ薬局」の薬剤師が連携して、患者さまが自宅で医療を受けられる「地域包括ケアシステム」の構築を進めています。

また、かかりつけ医等と連携して地域住民の健康保持・増進に貢献する重要な『かかりつけ薬局・薬剤師』を確立させ、患者さま本位の医薬分業の実現を目指しているのです。

かかりつけ薬剤師の役割と患者さまのメリット

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かかりつけ薬剤師・薬局は、次の3つの役割を持っています。

●    服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導を行う
●    医療機関等と連携する
●    24時間対応・在宅対応を行う

調剤や服薬情報の管理、処方箋のチェックだけでなく、患者さま本位の「かかりつけ」として幅広い対応を求められます。

では、かかりつけ薬剤師・薬局の3つの役割について詳しく見ていきましょう。

①服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導を行う

マイナ保険証やお薬手帳、患者さまへのヒアリングによって、受診しているすべての医療機関や服用している薬を把握し、薬学的な知見に基づいて管理・指導します。

服用している薬に関して、他の医療機関や薬局で受け取った薬、市販薬、健康食品やサプリメントなども含めてまとめて把握し、「重複した薬が出ていないか」「薬同士や薬と食品の相互作用がないか」など、薬の服用に際して注意点などをアドバイスします。

薬の飲み合わせが悪いものを知らずに服用してしまう危険性や、自己判断で服用を止めて症状が悪化する可能性なども防げるなど、患者さまにも大きなメリットがあるのです。

また、特に高齢者はいくつもの病院から多種類の薬を処方されているケースがあり、高齢者の約半数がポリファーマシー状態と推測されています。
こういったポリファーマシー解消のため、かかりつけ薬剤師による処方薬等の一元管理や一包化などによる、減薬が期待されています。
※臨床的に必要以上の医薬品が処方されている、あるいは不必要な医薬品が処方されている状況

かかりつけ薬剤師が継続的に服薬状況を把握することで、薬の管理がしやすくなるだけでなく、長期的な健康維持にもつながります。

主治医と連携して、服薬情報を一元的かつ継続的に把握することも職務の一つです。
例えば、患者さまにお薬手帳が複数発行されている場合は一冊に集約することなどが挙げられます。

ポリファーマシーについては、こちらのコラムもご覧ください。
ポリファーマシーとは?原因や問題点を確認!予防・対策をわかりやすくご紹介

②医療機関等と連携する

薬学的知見から処方医や地域の関係機関と連携することは、患者さまの健康に関わる重要なポイントです。
例えば、処方内容をチェックして必要に応じて処方医に疑義照会することや、調剤後も残薬管理や服薬指導を行うこと、患者さまの服用状況などを把握して処方医にフィードバックすることなどが挙げられます。

このような連携により、治療方針の見直しや処方の最適化につながり、患者さまはより効果的で無理のない治療を受けられるようになります。

また、医薬品に関する相談や健康相談に対応して、医療機関の受診をすすめることも役割の一つです。
2020年9月に施行された改正薬機法では服薬期間中のフォローアップも義務化され、次の受診まで患者さまの状態把握が可能となり、問題があれば医療機関への報告もできるようになりました。

患者さまは服薬期間中の体調変化や不安についても継続的に相談できるため、日常生活の中でも安心感を得られます。

厚生労働省は2035年までに薬局の立地を、病院隣接などの門前型から、住み慣れた地域や自宅近くの地域密着型へとシフトしていくことを目指しています。
これにより、患者さまにとって身近で継続的に利用できる、真のかかりつけ薬局としての機能・役割強化も期待されています。

③24時間対応・在宅対応を行う

かかりつけ薬剤師となった場合、開局時間外にも服用薬の副作用や飲み間違いなどの電話相談を受けることや、緊急時には夜間・休日にも調剤を行う必要があります。

夜間や休日でも相談できる体制があることで、患者さまは急な体調変化や薬に関する不安が生じた際にも、すぐに専門家へ相談できる安心感があります。

また、在宅対応も患者さまに必要とされているニーズの一つです。
患者さまの個人宅や入居先に直接薬を届けて管理することで、患者さまとそのご家族の負担を減らすことができ、生活面からも患者さまの健康をサポートすることが可能です。

外出が難しくても継続的に適切な薬物療法を受けられる点は、患者さまにとって大きなメリットといえるでしょう。

高齢化が進む日本では、このような在宅医療の充実が急務とされています。

薬局や薬剤師の役割については、下記コラムもあわせてご覧ください。
薬剤師に求められる役割とは?活躍の場ごとの役割もチェック!
在宅医療における薬剤師の役割とは?求められるスキルや資格も確認
地域連携薬局とは?認定要件や求められる役割もご紹介

かかりつけ薬剤師になるには?必要な要件や条件をチェック

かかりつけ薬剤師になるには、国が定めた要件を満たす必要があります。
国はかかりつけ薬剤師について「薬や健康、介護のことについて豊富な知識と十分な経験を持ちニーズに合った対応ができること」を要件に掲げています。

具体的には、以下の5つの要件をすべて満たす必要があります。

  1. 1.薬局勤務経験が3年以上あること
  2. 2.勤務先の薬局に週31時間以上勤務していること
  3. 3.勤務先の薬局に半年以上在籍していること
  4. 4.薬剤師認定制度認証機構が認証している研修認定薬剤師を取得していること
  5. 5.医療に関わる地域活動に参加していること

    ※参考:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】


少なくとも3年以上の実務経験が必須となりますが、さらに、ある程度の経験と知識、薬の服用・管理をはじめとして、体調や食事の管理など健康全般の相談に乗れるだけの知識を有している必要があります。

要件の4つ目「研修認定薬剤師の取得」のためには、必要な単位を取得する必要があります。

単位は日本薬剤師教育研修センター主催の研修会をはじめ、日本病院薬剤師会や日本薬剤師会の支部などで、集合・実習研修会実施機関として登録されている団体が行う研修会で取得が可能です。
なかには、e-ラーニング(ストリーミング型)研修で取得できる単位もあります。

なの花薬局では、e-ラーニングで研修認定薬剤師に必要な単位を集めることができる体制を整えています。
こちらのコラムでもご紹介していますので、あわせてご覧ください。
認定薬剤師の単位取得におすすめのeラーニングと注意点を紹介!

また、認定薬剤師の取得には最初の申請から4年以内に40単位以上(各年5単位以上)を取得する必要があり、認定された後も3年ごとに30単位以上(各年5単位以上)の取得をして更新をしなければなりません。

要件5つ目の「医療に関わる地域活動への参加」に関しては、厚生労働省が具体的な見解を公表しています。

●    地域行政や医療関係団体などが主催する講演会への参加
●    地域で多種職が連携して行なっている研修会への参加や、演者としての実績
●    子どもたちに薬の適正使用について説明するなど、委託を受けて行う学校薬剤師の業務
●    休日夜間薬局としての対応や、休日夜間診療所への派遣

主に行政が主催するイベントや、薬剤師会などが地域住民に向けて主催する活動への参加が当てはまります。

5つの要件をすべて満たすためには時間がかかりますので、長期的なスケジュールを計画し、勤務している薬局のサポートも利用しながら取得を目指すことをおすすめします。

かかりつけ薬剤師になるメリットは?

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「かかりつけ薬剤師」になるためには複数の要件を満たす必要がありますが、それらは薬剤師の実績となり、キャリアアップにもつながります。

かかりつけ薬剤師となる要件の一つである「研修認定薬剤師の単位」を取得しているということは、「豊富な知識を持つ」「常に最新の研究・学習を行なっている」薬剤師とみなされます。

加えて、実務経験と勤務年数もあわせ持つと認められます。
他の算定項目(例えば地域体制加算)でも、かかりつけ薬剤師の届け出が必要で、薬局には欠かせない存在となっています。

さらに、かかりつけ薬剤師として患者さまに継続的な服薬指導や管理を行うことで、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算、かかりつけ薬剤師訪問加算が可能となり、薬局の収益の向上につながります。

その結果、薬剤師個人の評価向上にもなり、収入アップが期待できる点も大きな特徴です。
実際に、かかりつけ薬剤師の指名が増えるほど薬局の売り上げへの貢献度も高まるため、人材としての価値が高まりやすい傾向にあります。

また、患者さまの薬を一元管理することで、より患者さま本位の服薬指導ができるようになります。
患者さまから体調の変化や薬に関する相談を受け、医師へ処方変更を提案するなど医療機関とも密接なコンタクトを取ることになるため、地域・医療・福祉と連携したケアを実現させることができますし、チーム医療に携わることができます。

薬や健康における不安を取り除き、正しい知識で安心を与えることができれば、患者さまからの信頼も高まります。
頼れる薬剤師として慕われることは仕事のやりがい・モチベーションアップにつながるでしょう。

患者さまは「かかりつけ薬剤師」を1人しか選ぶことができません。
専属の薬剤師として患者さまから信頼を得て、より一層薬剤師の職能を発揮することができます。
患者さまの健康を全般的にサポートするため、一般の薬剤師の業務ではできない経験や知識を得ることができ、薬剤師としてのスキルアップにつながるはずです。

その他にも、地域活動への参加が増えることで、より地域とのつながりを感じられるという点もメリットといえます。

かかりつけ薬剤師指導料は服薬管理指導料と統合へ

かかりつけ薬剤師に関する制度を理解する上では、「かかりつけ薬剤師としての資格要件」と「報酬を算定するための条件」は別である点を押さえておくことが重要です。

まず、かかりつけ薬剤師として患者さまを担当するには、一定の実務経験や勤務時間、在籍期間、研修認定の取得といった個人要件を満たす必要があります。
一方で、報酬の算定にあたっては、これらの要件に加え、薬局としての施設基準を満たした上で、実際に服薬指導や継続的なフォローを行うことが前提となります。

また、2026年度の診療報酬改定では大きな見直しが行われ、従来の「かかりつけ薬剤師指導料」および「かかりつけ薬剤師包括管理料」は廃止され、「服薬管理指導料」に統合されました。

この改定のポイントは、かかりつけ薬剤師という肩書きそのものではなく、実際に行なった支援内容を評価する仕組みへと転換された点にあります。 

服薬管理指導料について

統合後の服薬管理指導料は、原則として3カ月以内に再来局した場合は45点、それ以外の場合は59点とされ、かかりつけ薬剤師であるかどうかによる点数差は設けられていません。

その代わりに、具体的な支援に対する評価として、電話等で継続的にフォローを行う「フォローアップ加算(50点/3カ月に1回)」や、自宅訪問による管理・指導を評価する「訪問加算(230点/6カ月に1回)」などが新設されています。

※参考:厚生労働省保険局医療課「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】

このように、現在の制度では届出の有無ではなく、「患者さまに対してどのような関わりを持ち、どのような支援を行なったか」という実績が重視される仕組みへと大きく変化しています。 

かかりつけ薬剤師の要件・条件を満たしてキャリアアップを実現しよう

「かかりつけ薬剤師」について知っていただけたでしょうか?

かかりつけ薬剤師は「服薬情報の一元的・継続的把握とそれに基づく薬学的管理・指導を行う」「医療機関等と連携する」「24時間対応・在宅対応を行う」という、3つの役割を持っています。

患者さまにとって、薬のことだけではなく多岐に渡って健康のトータルサポートをしてくれる重要な存在です。

近年、薬剤師を取り巻く環境は大きく変化しており、薬を渡して終わり...という時代ではなくなりました。

セルフメディケーションが広がりを見せる中、薬剤師は幅広い知識をもって患者さまに薬の効果の確認、副作用のヒアリングなど、服薬期間中のフォローアップも含めて重要な役割を担います。

かかりつけ薬剤師制度を理解する上では、個人の資格要件と報酬の算定条件を区別することが重要です。2026年度の改定では、かかりつけ薬剤師指導料は服薬管理指導料に統合され、フォローアップや訪問指導といった具体的な支援実績がより重視される仕組みへと大きく転換されました。

地域住民、患者さまに信頼される、選ばれる「かかりつけ薬剤師」として、一人でも多くの患者さまの健康増進、生活改善に貢献していくことが、これからの薬剤師には求められていくでしょう。

 

なの花薬局では、地域に根差した薬局として地域の方々への健康イベントを定期的に開催しています。

今後の薬局業界はどうなっていくのか、国からは何を求められているのかを知りたい薬学生は、なの花薬局の業界研究インターンシップにぜひご参加ください!
業界研究インターンシップは今後さらにバージョンアップし、健康イベントについて知ることができる体験ワークを実施する予定です。
皆さまのご参加をお待ちしています!

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キャリアアップの選択肢の一つとして、ぜひかかりつけ薬剤師も検討してみてくださいね!

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