なの花薬局

地域連携薬局とは?知っておきたい認定要件と求められる役割

薬剤師の知識
地域連携薬局とは?知っておきたい認定要件と求められる役割

こんにちは!なの花薬局の楠本です。

2019年の薬機法(医薬品医療機器等法)改正により、患者さまが自分に合った薬局を選択しやすくするための薬局の認定制度が新設されました。
今回は、これによって新設された認定薬局「地域連携薬局」について解説します。

地域連携薬局とはどんな特徴や役割を持つのかを解説し、「かかりつけ薬局や健康サポート薬局とはどう違うのか?」といった疑問を解消します。
認定を受けるための要件や申請方法等についてもご紹介していきましょう。

地域連携薬局とは?申請方法も確認

地域連携薬局とは、「患者さまの入退院や在宅医療の対応時にほかの医療機関と連携して対応・サポートできる薬局」と認定された薬局のことです。

これは2019年の薬機法改正で定められ、2021年8月よりスタートした特定の機能を持つ薬局の認定制度(認定薬局制度)によるものです。

地域連携薬局は、医療機関と情報共有を行い、服薬などの薬物治療を一元的・継続的に対応することが期待されています。

認定薬局制度がつくられた背景

認定薬局はこれからの薬局が持つべき機能を明確にしたものです。

近年は、高度な治療を受ける場合も入院はせず、自宅で生活をしながら通院や在宅で治療を行うケースが増えています。
そのため、住み慣れた地域や自宅で安心して治療を続けられる環境を整えることが重要となり、認定薬局制度がつくられました。

薬局の特徴や機能を明確にすることは、患者さまが自分に必要な薬局を選びやすくなることにもつながります。

なお、2019年の法改正では「地域連携薬局」と「専門医療機関連携薬局」の2つの認定薬局が新設されました。
「専門医療機関連携薬局」は、がんなどの専門的な薬学管理についてほかの医療機関と連携して対応できる薬局であることを認定するものです。

専門医療機関連携薬局については、こちらのコラムもご覧ください。
専門医療機関連携薬局とは?認定要件や地域連携薬局との違いも解説

なお、2027年5月20日の改正により地域連携薬局の認定基準が見直される予定です。

地域連携薬局認定の申請方法

「地域連携薬局」「専門医療機関連携薬局」は、各都道府県知事から認定を受けます。

認定を受けるには、申請書と添付書類(認定基準に適合することがわかる書類など)を受付窓口である薬局の所在地を管轄する保健所へ提出します。

保健所で形式審査をしたあと、審査窓口である各都道府県庁で内容審査を行い、認定基準に適合していれば、都道府県知事より認定証が発行され、保健所を通して交付される仕組みです。

認定期間は1年間で、更新の際は有効期限満了の50日前までに更新申請書を受付窓口へ提出する必要があります。

地域連携薬局の認定要件とは?

地域連携薬局の認定要件は、大きく分けて以下の4点が設定されています。

それぞれの認定要件について、詳しく見ていきましょう。 

構造設備

プライバシーへの配慮、バリアフリーへの配慮など、患者さまが安心して相談できる体制、設備が整っていること。

例)プライバシーを守れる相談スペースの確保、座ったままお薬の情報提供や相談を受けられる環境、手すりやスロープ設置など

このような設備がしっかり整っていても、薬剤師の声の大きさや態度によって患者さまが安心して利用できない状況であれば意味がありません。
患者さまへの接し方についてもきちんと周知を行い、適切な環境を整備していくことが求められます。

利用者の薬剤等の使用に関する情報をほかの医療提供施設と共有する体制

地域の医療提供施設やほかの薬局と情報共有を行っていること。

入退院時も切れ目のない医療を受けられるほか、お薬の重複投与や相互作用による副作用を防ぐことができ、適正なお薬の使用ができて患者さまに安心感を与えられます。
情報共有実績は申請の前月の過去1年間で月平均30回以上求められます。

例)患者さまの入退院時・外来利用時における医療機関との情報共有実績、多職種との会議への参加、在宅医療での指導報告書の情報共有など

地域の利用者に対し安定的に薬剤を供給するための調剤及び薬剤の販売業務体制

安定的に薬剤の調剤、販売ができる業務体制であること。

例)開店時間外の相談・調剤対応やほかの薬局から求められたときの在庫提供、麻薬や無菌製剤処理ができる体制、副作用等の報告などの医療安全対策の実施、継続的な常勤薬剤師の確保、地域包括ケアシステムに関する研修への参加など

居宅等における調剤及び指導を行う体制

在宅医療への対応ができる体制であること。

例)月平均2回以上の在宅医療への対応実績、訪問診療に関わる医療機関等に対して医療機器や衛生材料の提供ができることなど

なの花薬局では、訪問薬剤管理指導のうち個人宅への対応が全体の約35%を占めています。
これは業界平均とされる15~20%を大きく上回る水準です。

患者さまだけではなくご家族からの相談にも対応しながら、患者さまとご家族の生活全体を支える在宅医療を実践しています。

なの花薬局の在宅訪問についてはこちらのページもご覧ください。
薬剤師の在宅訪問

また、関連する在宅患者訪問薬剤管理指導や居宅療養管理指導については、こちらのコラムでもご紹介しています。
在宅患者訪問薬剤管理指導と居宅療養管理指導の違いは?

地域連携薬局に求められる役割

Required-role.jpg

地域連携薬局はその名の通り、患者さまに対して地域包括ケアを提供することが大きな役割です。
外来受診時だけではなく、入退院や在宅医療に際しても、ほかの医療機関との連携が求められます。
特に服薬については、一元的・継続的に情報管理、指導、対応することが期待されています。

なの花薬局も、地域連携薬局に認定されている店舗があります。
2026年7月現在、なの花薬局全477店舗のうち56店舗が地域連携薬局として認定されており、これは全体の約11.7%にのぼります。

全国的にも地域連携薬局は増えてはいますが、2026年8月時点では4,292店舗。
全国の薬局数が6万3,000店舗以上(※2025年度末時点)あることを考えると、その割合は約7%程度といえます。
※参照:厚生労働省「地域連携薬局・専門医療機関連携薬局の件数」
※参照:厚生労働省「第2編 保健衛生 第4章 薬事 (第2-77表)」 

なの花薬局は地域に根差した薬局として、地域の皆さまを一番近くで見守り、サポートできる存在でありたいと考えています。

地域連携薬局は「かかりつけ薬局」「健康サポート薬局」とどう違う?

かかりつけ薬局・薬剤師とは、薬や健康、介護に関する豊富な知識を持ち、患者さまのニーズに沿ってこれらの相談に応じることができる薬局・薬剤師のことです。
医療機関と連携、情報共有をしながら服薬についての情報管理や指導を一元的、継続的に行い、必要に応じて在宅対応や24時間対応なども行います。

一方、健康サポート薬局は、かかりつけ薬局の役割を持ちながら、なおかつ、病気の予防や健康維持に向けた取り組みが重要な役割とされている薬局です。

なお、健康サポート薬局は2027年5月20日をめどに「健康増進支援薬局」という名称に変わる予定です。
あわせて、現行の届出制から都道府県知事による認定制へ移行する予定です。

かかりつけ薬局・薬剤師や健康サポート薬局の特徴、役割についてはこちらのコラムでも詳しくご紹介しています。
かかりつけ薬剤師になるための要件や条件をチェック!メリットもご紹介
健康サポート薬局とは?患者さまのメリットや認定要件をチェック!

また、「地域連携薬局」と「健康サポート薬局」も混同されやすいですが、どちらもかかりつけ薬局として患者さまに寄り添い、一元的・継続的な対応をする部分は同じです。

健康サポート薬局は病気になる前から予防や健康維持のための支援を行うのに対し、地域連携薬局は病気になったあともほかの医療機関と連携して住み慣れた地域で安心して暮らせるための支援を行う、という点に違いがあります。

現在、薬剤師に求められる役割は単なる薬剤の提供や管理にとどまりません。

地域医療の一翼を担う医療者としての役割もどんどん大きくなっています。
これからの薬局・薬剤師に求められる役割について「薬剤師に求められる役割とは?活躍の場ごとの役割もチェック!」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

地域連携薬局とはほかの医療機関と連携して患者さまを支える薬局

地域連携薬局とは、ほかの医療機関と連携をとりながら患者さまをサポートする薬局です。
2019年の薬機法改正で新設され、2021年8月よりスタートした認定薬局制度の一つで、一定の要件を満たした薬局が都道府県知事より認定を受けられます。

通院や在宅で治療を行う患者さまが増えていることを背景につくられたもので、住み慣れた地域・自宅での療養をサポートするのが目的です。
薬局の特徴や機能を明確にすることで、患者さまが自分に必要な薬局を選びやすくなるというメリットもあります。

地域連携薬局は、患者さまが安心して地域や自宅で療養できるよう、服薬について情報管理・指導を一元的・継続的に行うことが期待されており、なの花薬局も、地域に根差した在宅医療への取り組みを進めています。
また、地域包括ケアシステムの一翼を担うと同時に、ほかの薬局に対しても情報発信や研修、医薬品の提供を行い、業務を支えていくことも役割の一つです。

地域連携薬局の認定要件は、大きく分けて①構造設備 ②他医療機関との連携体制 ③薬剤の安定供給体制 ④在宅医療の対応体制 の4つです。

なお、これらの認定要件や健康サポート薬局の名称・仕組みは、2027年5月20日施行の改正薬機法により見直される予定です。

地域連携薬局は、患者さまが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、今後さらに重要性を増していく制度だといえるでしょう。

 

なの花薬局では、薬剤師の就活に役立つ情報を随時発信しています。

また、なの花薬局では、薬局業界の現状を整理し将来を考えながら業界研究を進めていく「業界研究コース」というインターンシップを開催しています!
薬局・薬剤師に求められていることや昨今話題のM&Aなど、薬局業界の「今」をなの花薬局の情報も交えてお伝えします!

薬局業界について知識を深めたい薬学生の方は、ぜひご参加ください!

薬剤師を目指す方や薬剤師の働き方について疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!

患者さま一人ひとりの答えを、自分の力で導ける薬剤師に。