なの花薬局

現場25年を経て見えた、患者さま視点を育てる薬剤師教育の壁と挑戦

薬局教育部 責任者
25年の現場経験があるからこそ、見えた「教育の壁」

25年の現場経験があるからこそ、見えた「教育の壁」

薬剤師として25年間、現場で患者さまと接してきた中で、ずっと感じていた課題がありました。「全国どこにいても、同じ質の教育が受けられる環境をつくりたい」という思いです。以前在籍していた薬剤師50人規模の組織では、教えられる人の数や専門性に限界があり、幅広く知識を磨くことには壁がありました。

その後、メディカルシステムネットワークグループに来て、正社員の薬剤師だけで1,400人(当時)という規模になり、ようやく思い描いていた教育体制をつくれる環境が整いました。それぞれの地域に点在するスペシャリストの知見を結集すれば、どの地域にいても多様な専門知識を深く学べるからです。現在は全国の薬局運営会社6社の教育責任者と連携し、「知のネットワーク」を現場へ届ける仕組みづくりに邁進しています。

「患者さまを見て、薬を見る」その視点を伝え続けたい

「患者さまを見て、薬を見る」その視点を伝え続けたい

薬剤師は処方せんを受け取って調剤するという仕事の性質上、どうしても「薬」を見てから「患者さま」を見るという流れになりがちです。「この薬は1日何回、何錠」と、処方内容を患者さまに当てはめていく。それ自体は間違いではありませんが、本当は逆の視点も大切なんです。患者さまの生活があり、背景があり、そこに初めて薬が必要になる。医師は患者さまを見て薬を決めますが、私たち薬剤師もその視点を持てるようになってほしいと思い、新人研修でも繰り返し伝えています。

調剤薬局は、生まれてから看取りまで、長い年月を通して患者さまの人生に寄り添える場所です。だからこそ、その覚悟と思いやりを持ったプロを育てたい。専門知識を磨くことはもちろん、それ以上に「医療人としてのマインド」を大切にできる組織でありたいと考えています。

教育の効果はすぐには見えない。だからこそ、地道に続ける

教育の効果はすぐには見えない。だからこそ、地道に続ける

教育は効果がすぐには見えないので、現場が忙しいと後回しにされがちです。それでも地道にコツコツ続けて、数年後に「やっていて良かった」と感じてもらえた時、初めてやりがいにつながります。

教育制度を立ち上げて5年が経ち、少しずつ定着してきた実感があります。現場の声に耳を傾けながら毎年アップデートを繰り返し、全員が無理なく取り組めるよう改善を続けてきました。今は一人ひとりが自身の専門性や強みを磨いている段階ですが、これからはそれぞれが最も輝ける場所で力を発揮できる環境を整えていきたいと考えています。薬剤師だけでなく、調剤事務スタッフや管理栄養士も、誰もが「プロ」として活躍し、患者さまに選ばれ続ける存在でありたい。そのためのサポートは、惜しみません。

患者さま一人ひとりの答えを、自分の力で導ける薬剤師に。